店舗併用住宅と呼ばれる1階が店舗・2階が住宅というスタイルは、就業スタイルが変化して建設機会も少なくなっている。現代では姿を変えて高層タワーになり、低層部に商業・高層部に共同住宅の構成が見られるようになった。
そこに新しいスタイルが出現しようとしているというか、民泊併用住宅である。普通の戸建て住宅地に旅館を建て、その上部に自宅を構える。簡易宿所ではなく、旅館にするところがミソ。将来を見据え、円高が進んで現在の民泊需要が衰えたときに、内需向けマンションに転用可能にしている。そのため、各部屋にはバス・トイレ・洗面・ミニキッチンが所狭しと並ぶ。子供部屋も将来は旅館の客室になる。
あまりにコンパクトになると、カプセルホテルはベット分の広さであるが、そのカプセルが部屋単位になる状態に近い。とても先人のカプセル・タワーの建築思想には遠くおよばないものの、限られたスペースで生活することを考えると、住むための機械工夫や常識を疑ってたくましく生きる姿に変わりはない。
地上のカプセルは重力が働くので設置場所は限られる。でも宇宙では上下の区別がないから、壁も天井も床と同じように使える。そもそも重力はないから床などというものは必要ないのだ。建築という発想も変わってしまう。